小石の独り言

日々の暮らしを大切に過ごしたい

記憶の引き出し 【詩】

 

 

                   

    ぼくは夢を見た

    夢の中でぼくと同じくらいの年の

    女の子に会った

    女の子は何かを探していた

    とても困っていたので

    声をかけてみた

    「何か探してるの?」

    女の子は

    「引き出しを探してるの」

    といった

    ぼくはいっしょに探すことにした

    女の子といっしょに

    あちこち探した

    しばらく探していると

    突然女の子が走りだした

    付いていくと

    女の子の足元に四角い箱があった

    四角い箱には

    小さな引き出しがたくさん付いていた

    女の子は箱をかかえて

    とてもうれしそうだった

    そして引き出しのひとつを開けた

    女の子は中を見て

    「見つけた」

    「これを探してたの」

    といった

    女の子はとてもうれしそうだった

    ぼくもなんだかうれしくなった

    朝になって目がさめた

    お母さんが朝ごはんをつくっていて

    ぼくはいつものように

    おばあちゃんの部屋に行った

    おばあちゃんは

    さいきん色々なことを忘れてしまう

    きのうは

    ぼくの名前がわからなくてこまっていた

    部屋に入ると

    おばあちゃんがぼくの名前を呼んだ

    びっくりしているぼくを見ながら

    「引き出しを見つけたからね」  

    とうれしそうにぼくにいった

    ぼくはうれしくなって

    おばあちゃんに

    「おはよう」

    とかけよった